神が授けた残酷で美しい呪い
昔々、イザナギノミコトとイザナミノミコトという、二柱の神様が、日本を作りました。
イザナギとイザナミは夫婦となり、沢山の神様をお産みになられました。
ところが、イザナミが火の神様を生まれる際、全身を火におおわれ、焼け死んでしまいます。
悲しみにくれたイザナギは、イザナミを連れ戻すため、黄泉の国に向かいました。
しかし、黄泉の国の食べ物を食べてしまったイザナミの姿は変わり果て、見るに耐えない恐ろしい姿をしていたのです。
恐れおののいたイザナギは、死に物狂いで黄泉の国から逃げ出し、黄泉の国までの道を大きな岩で塞いでしまいました。
岩越しにイザナギは、追いかけてきたイザナミに離婚を持ちかけます。
イザナミは言いました。
「愛しいあなたがそんなことを言うのなら、あなたの国の人間を毎日千人殺しましょう。」
するとイザナギはこう言います。
「愛しい人よ、あなたがそうするというのならば、私は毎日千五百の産屋を建てましょう。」
こうして日本では、毎日千人が死に、千五百人が生まれるようになったのです。
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この地球という世界に存在する命の数は、決まっているんじゃないかと思う。
すべての寿命ははじめから、生まれる前から決まっていて、どの命がいつどのようなかたちで燃え尽きるのか、すべては神様が書いたシナリオ通りになってるんじゃないかって。
今日もどこかで命が燃え付き、新しい命が生まれている。
その命は、植物かもしれない。
虫かもしれない。
魚かもしれない。
動物かもしれない。
人間かもしれない。
足元を見れば、セミが仰向けになって落ちている。
花壇を見れば、土から新しい芽が生えている。
道路の脇には車に跳ねられ動かなくなったイタチ。
駅の屋根の隅から聞こえる、生まれたばかりのひな鳥の鳴き声。
地球の裏側でまるで虫のように転がり誰にも見向きもされなかった命。
沢山の愛に囲まれて今この瞬間産声をあげた命。
姿形も、大きさも、ひとつとして同じ命はない。
それゆえに、どんな命も重さは同じ。
その命は、私とは縁遠い命かもしれない。
ともすれば、私のすぐとなりにある命かもしれない。
生と死は常に表裏一体で、切っても切り離せないもの。
どんな命にも終わりは来ると、誰もがわかっている。
どこで命が消えようと、どこで命が生まれようと、
今日は変わらずやって来る。
残酷で、美しくて、尊い今日が。
私はそんな今日を、どう生きていこうか。
💖愛と幸せおすそわけ💖
やっちー(・ω・)