甘酸っぱい思い出
どうもやっちーです。(・ω・)
小学生のとき、好きな男の子がいた。
眼鏡をかけた、少しポッチャリした男の子。
運動はそこそこ。
身長は私と同じぐらい。
特別かっこいいわけでもない。
将来の夢は発明家。
今となってはその子のどこを好きになったのか、実はよくわからないのだけれど、私はその子が好きで、自分なりに頑張ってアプローチしてたのを何となく覚えている。
思いきってラブレターを渡したこともあったっけ。
私は好きの気持ちを隠していたつもりだったけど、分かりやすい私の気持ちはバレバレで、
男友達にはよくからかわれた。
卒業式のときに撮った集合写真の裏には、
“8年後の同窓会で、一緒に幹事ができたらいいな”と書いて宝地図に密かに貼っていた。
中学に上がり、少したったある日の掃除の時間。
私が廊下の流しで雑巾を絞っていたときのことだった。
隣のクラスだったその子が、同じクラスの男子に背中を押され、私の前に現れた。
何事かと戸惑う私に対して、彼は大声でこう言い放った。
「嫌いです!」
何が起きたのかわからなかった。
呆然と立ち尽くす私。
後ろで爆笑する男子。
周りからの冷ややかな視線。
私の片想いは、そうして終わった。
それから何年かの月日が流れ、大人になった私たちは、同窓会の場で再会した。
彼は眼鏡からコンタクトになり、背は私よりも高くなり、某有名大学の学生になっていた。
当時の片想いは小学生の思い出の遥か彼方で、会話の中で私が好きだったことや、中学のときに大勢がみている中でふられたことについては触れられることはなかった。
同窓会の帰り道、仲の良かったクラスメイトの男子の一人が、とあるエピソードをポロリと話した。
「そういえば前にあいつの家行ったとき、やっちゃんが昔プレゼントで渡したフェルトのマスコット持ってたぞ。」
何を渡したのか、いつ渡したのか、渡した本人も忘れていた。
その話が、本当だったかどうかはわからない。
あの子が本当は私をどう思っていたのか、
あのときの言葉は本心だったのか、
真相はあの子だけが知っている。
それからさらに月日がたち、とある朝の通勤電車。
見覚えのある顔の男性が、目の前に立っていた。
明らかに、その子だった。
すぐ隣にいるにも関わらず、向こうはスマホに夢中で気づかない。
前に会ったときは確か、数年前の同窓会だっただろうか。
横に並んでみて改めてわかる、私と彼との身長差。
初めて見るスーツ姿。
くるくるボサボサの髪は、天パだろうか。
同い年のはずなのに、白髪数本が混じってる。
心なしか頬が痩せている気がする。
すっかり大人になったあの子が、そこにいた。
いろんな記憶が蘇ってくる。
忘れていた感情を思い出し、心の奥がくすぐったくて、思わず笑みがこぼれる。
彼が降りようとしたそのとき、目があった。
彼は私に気づき、一言言葉を交わして降りていった。
君は覚えているだろうか。
あの頃私が君を好きだったことを。
君は覚えているだろうか。
あの頃大声で私を嫌いと言ったことを。
君はまだ持っているのだろうか。
私も渡したことを忘れていた手作りのプレゼントを。
昔々の、甘酸っぱい思い出の話。
ちなみに、今の私は坂口健太郎君のような、塩顔イケメングーフィーが好きです。(・ω・)
💖愛と幸せおすそわけ💖
やっちー(・ω・)